コンテンツディレクター

Web業界にはたくさんのディレクターがいます。今回はコンテンツディレクターに焦点をあて、仕事内容から必要なスキル、未経験で目指す方法、気になる年収事情まで紐解いていきましょう。

コンテンツディレクターとは

コンテンツディレクターの役割は、文字どおりコンテンツ制作のディレクションです。コンテンツの制作を依頼するクライアントと、制作にあたるデザイナーやライターとの間に立ち、双方からの提案や要望を尊重しながら良質なコンテンツ制作を目指します。

これを聞いて、Webディレクターと似ていると感じた方も多いのではないでしょうか。実際、コンテンツディレクターの定義は曖昧なので、当サイトではWebディレクターと同等に扱います。

コンテンツディレクターの仕事内容とは

コンテンツディレクターの仕事は多岐にわたります。ここでは、全研本社で働くコンテンツディレクターを例に挙げ、仕事内容をまとめました。

当社のコンテンツディレクションはマーケティング調査から始まり、クライアントメディアの価値提案と設計、そして価値あるメディアづくりのための構築、運用まで手掛けます。

以下、順を追って解説していきます。

ヒアリング

コンテンツディレクターの仕事は、まずクライアントへのヒアリングから始まります。制作するWebサイトの目的とメインとなるターゲット層、そして予算感をすり合わせる大切な工程です。

クライアントの中では明確なイメージが定まっていないことも少なくありません。この場合は、クライアントの抱えている課題や悩み、何を果たしたいかをコンテンツディレクターから聞き出す必要があります。

市場調査・競合分析

ヒアリングが終わったら、次に市場調査を進めます。クライアントが提供する商品やサービスが消費者の中ではどう評価されているのか、またどのようなニーズがあるのかを調査する段階です。

市場調査を進めていると、競合他社の情報も出てきます。競合はどのような手法で自社商品やサービスを市場展開しているのか、競合の強みは何かを分析しながら、対抗するために必要なことを考えましょう。

ペルソナ分析・設計

次にペルソナを作ります。ペルソナとはある架空のユーザー像のことです。名前や年齢、趣味、職業など細かい人物設定をして、実際にいる人物のように作り上げます。手順としては、まずクライアントの商品やサービスをどんな人が利用するか考え、分析します。分析が済んだらできるだけ具体的なペルソナを設計しましょう。

「絶対にクライアントを選ぶのはどんな人物か」を明確にすることで、以降の工程の軸となります。ペルソナ設計の段階で「クライアントを選ぶけど、競合も選びそうな人物」になっているなら、まだまだ分析や設計が足りません。

以降、Webサイトの制作では「ペルソナにとって価値があるのか」を軸に考える場面も多くなるので、ペルソナ分析と設計はしっかり行いましょう!

バリュープロポジション設計

バリュープロポジションは、3つの要素からなります。それは「消費者(顧客が)求めていること」「自社で提供できること」「他社では提供できないこと」です。どれかが欠けてもバリュープロポジションにはなりません。

クライアントが考える自社商品やサービスの価値と、消費者のニーズは必ずしもイコールではありません。また、競合他社との差別化がされているかどうか、クライアント自身が知らないこともあります。

コンテンツディレクターがここまでの分析や調査を通じて、クライアントの商品やサービスの本当の価値を見つけ、明確化するのがこの工程です。

戦略設計

いよいよWebサイトの設計に入っていきます。クライアントのバリュープロポジションをどのように提示すれば、設計したペルソナに届くのかを考える段階です。

Webサイトの目的や達成したい目標を決めて構築していきます。ヒアリングで聞いた内容を軸に、コンテンツディレクター目線で必要だと思う要素も加えながら、価値あるWebサイトを完成させるための土台を作りましょう。

サイト構成

Webサイト全体の地図、ディレクトリマップ(サイトマップ)を作ります。必要な要素を挙げ、トップページから各ページにどうつなげるか考える工程です。また、サイト内にどのようなコンテンツがあれば検索エンジンに評価されるかなども考えます。

ディレクトリマップが完成すると、おのずと必要なページ数も見えてきます。クライアントが用意できる予算とスケジュールも加味しながら、できる範囲で最良のWebサイト制作を目指しましょう。

ページ構成

Webサイトの構成が決まったら、次は各ページの構成を考えます。ワイヤーフレームを作成する段階です。ページ内に入れる画像、テキスト、リンクといった要素をレイアウトしていきましょう。

実際のデザインやコンテンツは、ワイヤーフレームに沿って忠実にはめ込んでいくことになります。そのため、ワイヤーフレームはWebサイトの完成イメージを頭に思い浮かべながら作成したほうがよいでしょう。

ライティングディレクション

Webサイトにはテキストが多大に含まれます。見やすく分かりやすいWebサイトを完成させるためには、ライティングを担うライターとのコミュニケーションを密に取ることが重要です。

Webサイトの目的やターゲット層が異なれば、求められるテキスト表現も大きく変わります。コンテンツディレクターは制作するWebサイトのコンセプトや役割、目標をライターに正しく伝え、最適なテキストをライティングしてもらいましょう。

デザインディレクション

Webサイトのデザインは、見栄えの良し悪しを大きく左右するものです。また、デザインには流行があり、企業によってどんなデザインが好まれるかも変わってきます。

コンテンツディレクターは、デザインに関する情報を具体的なデザイナーに伝えなければなりません。

同業他社のWebサイトのデザイン傾向に、クライアントの企業カラー、Webサイトに持たせたい印象など、情報を細かく伝えることがWebサイトを完成させるためにとても重要です。

記事編集

ライターから上がってきたテキストを編集する工程です。トンマナが統一されているか、誤字脱字がないか、伝えるべき情報が漏れなく含まれているかどうかなど、良質な記事作成には細かな確認と編集作業が必要です。時には、自身で一からライティングするケースもあります。

サイト運用

Webサイトは完成したら終わりではなく、日々の運用を通じてたくさんのユーザーに見てもらわなければなりません。

コンテンツや情報の更新、メンテナンス、定期的なリニューアルなど、サイト運用をする中では継続的な業務が発生します。

コンテンツディレクターはこれらの業務に携わりながら、Webサイトの質を保ち、クライアントの要望を叶え続けていくことになるのです。

コンテンツディレクターに必要なスキルとは

コンテンツディレクターは幅広い業務をこなすことになります。必要になるスキルもさまざまですが、ここでは全研本社のコンテンツディレクション業務を進める中で必要なスキルをまとめました。

情報収集スキル

コンテンツディレクターは、Webサイトとコンテンツの制作ディレクションを通じてクライアントが抱える課題を解決しなければなりません。課題をどうやって解決するか考え、実行するためには、何より情報が必要になります。

すべきことは、クライアントの事業に関する専門知識を学び、業界の動向や最新情報を集めることです。そこからヒントを得て、課題解決の糸口を探っていくことになります。

マーケティングスキル

全研本社では、クライアントの価値を見つけ、提案するバリュープロポジション設計に力を入れています。集まった情報から課題解決を進めていく中で重要なのが、クライアントが持つ独自の価値を見出すことです。

バリュープロポジションを見出すためには、市場を把握していなくてはいけません。どういったサービスが望まれているか、どんなチャネルがあるのかなど、徹底的に調べるためのスキルが必要です。

コピーライティング

バリュープロポジションを表現するにあたって、文字は必要不可欠です。キャッチコピーの制作にあたるのはライターかもしれません。しかし、ライターが手掛けた複数のキャッチコピーから「これだ!」というものを選ぶのは、コンテンツディレクターの役目です。

消費者を釘付けにするキャッチコピーはどんなものかを選び出すためには、日頃から目を引くキャッチコピーについて学んでおく必要があります。

ライティング/編集スキル

ライターが納品した原稿に目を通し、より訴求力の高い文面に仕上げるためには編集スキルが必要になるでしょう。何だか違うな、と感じる原稿が納品されたときには、自ら大幅に手直しすることもあるかもしれません。ここで欲しくなるのがライティングスキルです。

文章を書く力、読んで添削する力はコンテンツディレクション以外でも役立つ場面が多いスキルですので、日頃から磨いておきましょう。

HTML/CSSスキル

コーディングスキルも持っていて損はありません。全研本社ではHTMLやCSSのスキルがなくてもWebサイトを構築できるシステムを活用していますが、時に凝ったデザインをしたいときには、HTMLとCSSの知識が役立ちます。

どうコードを入力すればどんな表示ができるか、という基本的なコーディングの知識は持っておきましょう。

コミュニケーション

コンテンツディレクターは、社内外でのコミュニケーションを求められます。クライアントはもちろん、サイト制作に関わる各担当者とのやり取りも必須です。

プロジェクトの責任者であるコンテンツディレクターは、なんでも聞きやすく、話しやすい人としてその場にいるべきです。優れたコミュニケーションスキルを持っていれば、プロジェクトも滞りなく進むでしょう。

コンテンツディレクターの年収ってどれくらい?

かなり多忙な印象を受けるコンテンツディレクターですが、その平均年収は500万円前後です。(参照:求人ボックス 2021年6月現在 )

国税庁が公表している「令和元年分 民間給与実態統計調査結果」によると、日本人の平均給与は436万円。コンテンツディレクターのほうが給与水準は高いことが分かります。

コンテンツディレクターになったばかりの20代では、年収は300万円代後半あたりからのスタートになりますが、30代、40代と経験を積んでいけば500万円代後半の年収を得ることも可能です。

コンテンツディレクターはクライアントと制作陣の架け橋になる存在

コンテンツディレクターは、プロジェクトの開始から完了まですべての工程に携わる役割を担っています。

忙しく立ち回る場面もあるでしょう。しかし、各工程ではさまざまな職種のスタッフと関われるため、その点でやりがいを感じたり、充実感を得られたりする人も少なくありません。

プロジェクトを完成させたときの達成感は言葉にできないほど。仲間と一緒にひとつのものを作り上げたい人には、向いている仕事だといえるでしょう。