Webディレクターにシステム開発の知識は必要?
ネットショップでお買い物をしたことはありますか?
欲しい商品を買い物かごに入れ、支払い方法と配送先を選び、購入完了まで進める流れを構築するにあたっては、背景にWebシステムというものが存在しています。これを開発するのが今回紹介する“システム開発”という仕事です。
WordPressやECCUBEといった、Webサイトの管理システムをカスタマイズするのもシステム開発に含まれます。ユーザーがWebサイトを快適に使うためにも、システム開発という仕事はとても重要なものです。
Webディレクターは、このシステム開発の仕事とどのように向き合っていくべきなのでしょうか?どんなことを知っておくべきか、役立つ知識はどんなものか解説していきます。
なんにも知らないではプロジェクトが進まないことも
Webサイト制作には、さまざまな分野の専門スタッフが揃います。
デザイナーにライター、コーダーなどWebサイトの見た目やコンテンツに関わるスタッフもいれば、システム開発やデータベース構築などWebサイトの機能や操作に関わる業務に携わるスタッフもいるのです。
メインとなるそれぞれの業務は、もちろん各スタッフに任せて構いません。
しかしWebディレクターはWebサイト制作の現場を取り仕切る指揮官。各スタッフがどのような仕事をしているかは、把握しておく必要があります。
システム開発に関してもそうで、Webディレクター自身は手を動かさないとしてもどんな業務を行っているかは知っておきましょう。
でないと、進行に関わる悩みや相談を受けた際に内容が理解できず、しどろもどろになってしまう可能性がありますよ。
そもそもシステム開発とは?
システム開発に関わる職種は、2種類に分かれます。それぞれの役割と、仕事内容についてまずは解説していきましょう。
システムエンジニア
システムを構築するには、まず設計図を書く必要があります。クライアントがどんなシステムを必要としているかヒアリングを行い、それをもとにシステムの企画や、設計を行っていく段階に活躍するのが、システムエンジニアです。
プログラマー
システムエンジニアが作った設計図をもとに、プログラミング言語を用いて実際にシステムを設計していくのがプログラマーの仕事です。システム構築が完了したら、システムエンジニアとともに動作確認も行います。
ディレクションをスムーズにするために知っておきたいこと
システム開発というと、いわゆるphpやRUBYといったプログラミング言語を覚える必要がありそうですよね。なんだかハードルの高いもののように感じる方も多いのではないでしょうか。
しかしその範囲は幅広く、Webディレクターとして把握しておくべきところはそこまで難易度の高いものではありません。詳しく解説していきましょう。
サイト管理システムのカスタマイズ・操作方法
冒頭でも解説したとおり、WordPressやECCUBEなどのWebサイトの管理システムをカスタマイズすることも、システム開発の業務内容に含まれています。
こう聞くとシステム開発が一気に身近なものに感じられるのではないでしょうか?
システム開発に関係するプログラミング言語を覚えることも大切かもしれませんが、こういった管理システムの使い方を覚えておくだけでも充分です。
システムがどのように動いているのか、システム上のどの機能がWebサイトのどの表示に関係しているのかといったことを把握しておけば、Webサイト管理の場面でも非常に役立ちますよ。
開発プロセスの把握
システム開発には多くのプロセスが存在することをご存じですか?
まずはシステムエンジニアがクライアントにどんなWebサイトにしたいかをヒアリングし、要件定義をまとめます。これはシステムがどんな目的を持って作られるものか、それを開発するのにはどの程度の期間がかかるかといった内容をまとめたものです。
続いては基本設計、詳細設計へと進み、いよいよプログラマーと協力してプログラミングへと進んでいきます。
システム構築が完了したら、正常に動くかどうかテストをします。
テストは1回では終わりません。さらに本番環境と同等のテスト環境でも正常に動くか確認し、それでも問題なければ晴れて完成となるわけです。
なお、開発したシステムは、その後ずっと動き続けるものですから、日々の監視も業務に含まれます。なにかトラブルがあれば迅速に対応する保守も、大事な仕事のひとつです。
開発にかかる期間や費用
上記の要件定義をまとめた段階で、クライアントには開発にかかる期間や、見積書を提出する必要があります。
Webディレクターとして「これくらいのシステムなら期間と費用はだいたいこれくらいかかりそうだな」という見通しが立てられると、社内のWebサイト制作現場や、クライアントを前にした打ち合わせ時にも話がスムーズに進むことでしょう。
期間や費用にまったく目途が立っていないと、サーバーエンジニアが提示した期間や費用に対して「なんでそんなにかかるの?」と質問しなければならなくなり、余分に時間がかかってしまいますよ。
他業務との連携
システム開発は、Webサイト全体に関わります。Webサイトを実際に使用するユーザーからは見えない部分の仕事ではありますが、Webサイト制作に携わる各職種のスタッフたちとは密に連携を取るべきです。
たとえばWebシステムとして不備がない設計になっていても、ユーザーから見ると使いにくいデザインになっていることがあります。こういったときにはデザイナーの意見が役立つことでしょう。
システム開発者から見たら便利なシステムだとしても、ユーザーが実際に見るWebサイトの見た目を構築しているフロントエンドエンジニアから見れば、改善ポイントがある可能性だってあります。
質のよいWebサイトを完成させるためには、制作関わるすべてのスタッフの力を合わせることが大切です。
システム開発エンジニアからWebディレクターになれる?
システム開発に携わるエンジニアは、Webサイト全体を裏方で支えています。表からは見えない仕事ですが、Webサイトをしっかり構築するためには必要不可欠な存在です。
システム開発エンジニアからWebディレクターになるためには、まずWebサイト構築の表方の仕事を知ることが重要となります。
なかなか人前には出る機会がない職種ですが、まずは現場での仕事全体を把握し、他職種のスタッフやクライアントとのコミュニケーションを図ることに慣れていきましょう。
慣れてくればチーム全体を管理するのに必要なスキルを高め、最終的にはプロジェクト管理を任せられるような人材への成長を目指します。
このように着実にステップアップしていくことで、現場から頼られるWebディレクターになることができるはずですよ。
現場と対等な関係を築くことから始めよう
システム開発エンジニアは裏方でコツコツとがんばるタイプの仕事を任されているため、Webサイト制作の表方で働くスタッフたちと関わる機会が少なくなりがちです。
よってWebディレクターも「システム開発はエンジニアに丸投げで…」と任せっぱなしになることも。しかしそれでは、いざというときにシステム開発に関することが一切分からないWebディレクターになってしまいます!
システム開発エンジニアと他職種のスタッフたちがうまく連携することにより、完成したWebサイトがより質の高いものになることも充分あり得ます。
システム開発は、Webサイト制作の肝になる業務といっても過言ではありません。Webディレクターとして、率先してその業務内容を把握しておくようにしましょう。
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