Webディレクターの信用度にも影響するスケジュール管理の秘訣とは?
Webサイト制作の現場で全体を広く見渡す役割のWebディレクターがスケジュール管理下手だと、さまざまな歪みが生じてしまうことも。ディレクションの肝にもなるスケジュール管理のコツを紹介します。
Webディレクターがスケジュール管理下手だとどうなる?
Web制作にあたっては、実にたくさんのスタッフが動きます。それを取りまとめるWebディレクターのスケジュール管理が上手くいっていないと、こんな悪循環に陥ってしまうこともあるのです。
スタッフに無理を強いる可能性がある
Webディレクターのスケジュールの見通しが甘いと、「予定より作業が遅れている!」と焦ってしまう事態に陥ることがあります。
どうにかして巻き返しを図らないといけないという場面では、現場のスタッフたちに無理を言って作業スピードを上げてもらう必要も出てくるでしょう。
もっと状況が悪いなら、残業をお願いしなければならない場合も。
Webディレクターの焦りは現場全体に伝わります。繊細な作業が求められるWebサイト制作の現場では焦りは禁物!ミスのもとになることも。
自分だけの判断で「どうにかなるだろう」と決め、スケジュールを設定してしまうのは危険です。作業量やスタッフたちの実力、クライアントの要望などすべての要素を冷静に見渡しながら、余裕を持ったスケジュール設定をすることを心がけましょう。
結果…現場の士気が下がる
現場スタッフを焦らせてしまったり、連日残業続きになったりすると、だんだんと士気が下がってきます。
モチベーションが低い状態ではよいものは作れませんし、不満が溜まればスタッフたちがその仕事を嫌いになってしまう可能性もゼロではありません。
「Webディレクターの力不足でこんなに苦しい!」などと恨みを買ってしまえば、今後のプロジェクト進行にも悪影響を及ぼすでしょう。チームでの足並みをそろえ、質の高いWebサイトを完成させるためにも、スケジュール管理は重要なのです。
クライアントからの信頼を失うことも
現場スタッフを急かしても、残業をしてもスケジュールの遅れを取り戻せない場合、最悪の事態としてWebサイトの公開が遅れてしまうこともあります。
こうなるとまずはクライアントへの謝罪が必要になります。
社内の問題だけでは済まなくなるわけです。
当初の打ち合わせで伝えていた公開予定日がずれたら、クライアントはどう感じるでしょうか?仕方がないと許してくれることもあるかもしれませんが、残念だと思われてしまっても致し方ない状況です。
「あの会社に頼むとスケジュールどおりに進まないぞ」といった悪い噂が広がっては、会社の信用問題にも関わるということを肝に銘じておきましょう。
スケジュール管理が上手くなる秘訣
それでは、どうすればスケジュール管理は上手くなるのでしょうか?苦手な人でもコツコツと地道に練習をすれば、誰しも管理上手になれるはずですよ。
レスポンスが早い・後回しにしない
忙しいときはついついメールを無視してしまったり、ざっと目を通しただけで後回しにしたりすることもあるでしょう。
しかしスケジュール管理をしっかりしたいなら、何事も後回しにせず、レスポンスも早く行うべきです。手前のことにいっぱいいっぱいで、あれもこれもあとで…と溜め込んでしまうと、どんどん仕事が溜まっていずれパンクしてしまいます。
たとえば届いたメールの中に、Webサイトのデザインに関する急ぎの修正依頼があったらどうでしょうか。後回しにしていざ夕方にメールを開いたら、なんと期限は今日中!なんてこともあり得るわけです。
そうなってしまえば自分が焦るのはもちろん、デザイナーにも無理をさせてしまいます。忙しい状況でも届いたメールはしっかりチェックし、常に全体を見渡すことを忘れないようにしましょう。
タスクひとつひとつにかかる時間を把握する
クライアントから「このくらいのボリュームの記事は何日で書けますか?」と依頼があって、Webディレクターが「1日あれば充分ですよ!」と答えたとします。
しかしいざ社内に戻ってライターに共有したら、「そのボリュームなら3日はいただかないと厳しいです!」なんて返答があったとしたら…冷や汗ものですね。
このように、Webディレクターが自分だけの判断でタスクにかかる時間を決めてしまうのも、スケジュールのズレが生じる原因です。こまめにコミュニケーションを取り、Webサイト制作に関わるスタッフの仕事内容をしっかり把握しておきましょう。
タスクごとに期限を設ける
現場スタッフに作業を丸投げするのもよくない状況です。その作業はいつまでに完了させておくべきかという期限を設けることも、Webディレクターの仕事だと覚えておきましょう。
勝手に「これくらいあれば終わるだろう」と高をくくり、ギリギリになって突然「あれどうなった?」と声をかけるような状況は、信頼関係を損なう原因になってしまうことも!
Webサイト制作に関わる人たちが全員気持ちよく仕事にあたれるよう、充分な配慮が必要です。
スケジュール管理が上手くいかないときの対処法
特にWebディレクターとしてデビューしたばかりの頃には、スケジュール管理でつまずいてしまうことがあります。そんなときはちょっとした工夫で状況が改善することもありますので、これから紹介する方法で対処してみてくださいね。
慣れないうちは毎日の進捗管理を怠らない
予定していたスケジュールどおりに作業が進まないのは、小さなズレが積み重なったことが原因かもしれません。それではなぜズレが積み重なってしまうかといえば、その小さなズレを見逃し続けてしまったからだといえるでしょう。
そういった事態を避けるためには、まずは毎日の進捗管理を徹底することが重要です。
ズレが生じていることが分かったら、どこで巻き返せそうか、なにを妥協すべきかをチーム全体で考え、限られた時間の中でよりよいものを完成させることを目指しましょう。
余裕を持ったスケジュールを設定しておく
クライアントの要望を叶えるのと、言いなりになるのとでは話がまったく異なります。タイトなスケジュールを要求してくるのであれば質はそれなりになりますし、充分な期限があればより質の高いものを提供することが可能です。
クライアントの要望を正しく理解し、それを叶えるために必要な期間がどれくらいになるかしっかり検討します。
このとき、余裕を持ったスケジュールを設定すれば現場の雰囲気もよくなることでしょう。
とはいえ、ときには予期せぬトラブルに遭遇し、デスマーチになることも…。そんなときは缶コーヒーやお菓子などの差し入れをする気配りも忘れずに。
なお、これは最終手段として取っておくことをおすすめします。あまりに頻繁に起こると「あのWebディレクターは食べ物で釣る」という悪い印象も与え兼ねないため、要注意です!
タスク管理ツールを使う
いまは複数人数で共有できるタスク管理ツールも出回っています。
カレンダーを見るように気軽にスケジュールを管理できる「Googleカレンダー」や、タスクごとに優先度をつけたり、ガントチャート形式でチェックできたりする「Backlog」など、その種類も豊富です。
無料で使えるものも多いので、「最近タスク管理が煩雑だな…」と気になるなら一度試しに使ってみてはいかがでしょうか?
情報共有も楽になり、作業の抜け漏れを防ぐことにもつながるでしょう。
信頼関係を構築するためにはまずスケジュール管理から!
たかがスケジュール管理と思ったら大間違い!Webディレクターのもっとも大切な仕事だといっても過言ではありません。
大勢をまとめる指揮官であるWebディレクターがプロジェクトの全体像を見誤れば、大幅なスケジュールの遅れも免れないということです。
チームワークを高め、スタッフ・クライアントとの信頼関係を構築するためにも、常に冷静に全体を見渡しながら余裕を持ったスケジュール管理を徹底していきましょう。
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