ディレクター業務に欠かせないガントチャート

Webサイト制作を進めるにあたっては、実にたくさんのタスクが発生するもの。

クライアントとの打ち合わせにデザイン、コーディング、システム開発にコンテンツ作成など、たくさんの専門職のスタッフが手を動かし、公開というゴールに向かって進んでいくことになります。

Webディレクターの仕事はこれらのタスクを全体的に見渡し、作業が滞っていないかを常にチェックしておくことです。

とはいえ、あまりにも多くのタスクが同時に進んでいると、どの作業をいつまでに終わらせるべきなのか分からなくなってしまうことも。
今回はスケジュール管理におすすめのガントチャートの概要と作り方を解説します。

なぜ、Webディレクターにガントチャートが必要なのか

ガントチャートとは、タスクと期間を一覧にまとめた表のことです。
作るとそれぞれのタスクにかける日数が一目で分かるようになるため、スケジュール把握と管理がしやすくなります。

Webサイト制作には大勢のスタッフが関わることになり、それぞれが業務を抱えています。

個々人でスケジュール管理をすると、予期せぬ事態で作業が滞ったり、急に休んでしまったりした際にほかのスタッフが進捗や状況を確認できず、全体の業務に影響を及ぼすことも。

現場を把握するWebディレクターはもちろん、ほかのスタッフたちとも共有でスケジュールを管理できるようにしておくことで、Webサイト制作をスムーズに進めることが可能になるのです。

ガントチャートの作り方

それではガントチャートの作り方を詳しく解説していきましょう。
初めて作る際には手間取ってしまうかもしれませんが、一度作り方を覚えればほかの現場にも流用できるものなので、まずは一度実際に作ってみましょう。

必要な工程の洗い出し

ガントチャートを作る前には、まずWebサイト作成から公開までに必要なタスクを以下のように洗い出すことから始めます。

  • 構成検討
  •   └クライアントへのヒアリング、ディレクトリマップ作成、ワークフレーム作成など
  • デザイン
  •   └TOPページ、下層ページ ※PCサイト・スマホサイト用にそれぞれ必要な場合も
  • コーディング
  • システム開発
  •   └CMSカスタマイズ、フォームの開発など
  • テスト
  •   └ブラウザ別検証、OS別検証、スマホ検証、CMS投稿テストなど
  • 公開

次に各作業にかける期間を検討し、実際に表にしていくというのがガントチャートの作成方法の流れです。

エクセルやツールなどに記載する

エクセルやGoogleスプレッドシートで作成する場合は、まず横のセルにWebサイト公開日までの日付を入力していきます。縦のセルには打ち合わせ、コーディング、システム開発といった具合にタスク名を記入していきましょう。

打ち合わせが10日と15日にあるのなら、該当の日付の列と、打ち合わせの行が重なるセルにそれぞれ色をつけます。
その後、コーディングを20日から開始して30日までに完了する必要があるのなら、コーディングの行と、該当の期間が重なるセルすべてに色をつけます。これが基本的なガントチャートの作り方です。

おすすめのガントチャートツール

エクセルなどで自作しなくても、ガントチャートには専用のツールもあります。ここでは、おすすめのツールを紹介します。
無料で使えるものもあるので、ぜひ試してみてください。

Jooto

4人まで無料で利用できるタスク・プロジェクト管理ツールのJootoは、PCでもスマホでも利用が可能です。
デザインが非常にシンプルで、スタイリッシュな印象。ドラッグとドロップのみでほぼ完結できるため、直感的に使うことができます。

タスクに対する質問や報告をコメントでやりとりできるコミュニケーション機能、データ共有機能など、プロジェクト進行の上であると役立つ機能もひと通り備わっているため、これ一つでプロジェクトの進行を完結できます。

また、GoogleカレンダーやSlack、Chatworkなどのチャットツールとも連携することで、Jootoに登録したタスクをGoogleカレンダーに表示したり、チャット上で通知を出すことが可能になるのは嬉しい機能です。

見やすく、管理しやすいという点で初めてガントチャートツールを使うという方にもおすすめのツールです。

5名以上で利用する場合は、4名まで無料ですが、1ライセンスごとに500円課金される形式です。まずは登録してみて、使い勝手がよければ本格導入を検討してみてもよいでしょう。

Redmine

無料で利用でき、世界的な認知度も高い、オープンソースソフトウェアです。公式アプリを使えばスマホでも利用できます。

タスクの開始日・期日を登録すれば、自動でガントチャート化して表示してくれるのが嬉しいポイント。同じように、タスクの登録さえすればカレンダー形式での表示も可能なので、プロジェクトメンバー全員で共有していても、各々が見やすい方法でスケジュールを確認することができます。

Brabio!

5人までなら無料、それ以降は有料で最大10人まで利用できるガントチャートツールです。 「ガントチャートがエクセルの10倍速く作れる」という目を惹くコンセプトのとおり、操作感は初心者にも優しく、スピーディーなチャート作成を叶えます。

また、複数のプロジェクトのガントチャートを作成することも可能です。50MB以内であれば個数には制限なくプロジェクト登録ができるので、多くの案件を抱える企業でも気軽に利用しやすいでしょう。

ユーザーモードが4つあり、閲覧できる範囲を制限することができます。一部のタスクを外部パートナーに委託している場合など、タスク状況は把握したいけれど、全ての情報を見られたくはない、という時に便利な機能です。

がんすけ

完全無料でガントチャートを作成したいとお考えなら、がんすけの利用を検討してみてはいかがでしょうか。対応OSは2021年4月現在Windowsのみとなっていますが、操作も機能もシンプルで使いやすいツールです。

タスクの期間変更はマウスで簡単に。カレンダーの表示期間は、1日~2年まで選択可能です。任意で設定することもできるので、短期・長期どちらのプロジェクトを管理する場合にも柔軟に対応できるでしょう。

Asana

有料のものも検討しているなら、1ヵ月あたり1,200円~利用可能なAsanaもおすすめです。
こちらもデザインがシンプルで見やすく、また丁寧なチュートリアルがあるため、初めてガントチャートを作る際にも安心して利用いただけます。

また、表示形式の変更などカスタム要素も。自分好みのガントチャートにカスタマイズできるため、「より見やすく、より使いやすく」を求める方にこそ、おすすめのツールです。
無料プランもありますが、機能がかなり限られてしまうため、有料プランの30日間の無料トライアルを試してみるとよいでしょう。

ガントチャートの利用が向かないケース

ここまでガントチャートの便利さについて解説してきましたが、すべてのWebサイト制作プロジェクトにガントチャートが有効に働くとは限りません。

関わるスタッフが多くなる大規模プロジェクトだと、縦軸のタスクが多くなりすぎて進捗が見にくくなり、反対にガントチャートがあることで管理がしにくくなる場合もあります。

また、ガントチャートにすべての作業を漏れなく記入できたかの確認に追われてしまい、結果として「ガントチャート作ること」に必死になってしまうという、本末転倒な結果を招くことも。

そんなときは、ガントチャートで大枠の作業だけ管理するというのもありでしょう。

先ほどガントチャート作成前には必要な工程を洗い出すという話をしましたが、そこで示した「構成検討」「デザイン」「コーディング」などのいわゆる“大見出し”部分のみを記入するのです。

大規模プロジェクトで使うガントチャートでは、「Webサイトのなにをいつまでに作るか」が管理できればOK。
各項目の細かい部分は、それぞれの分野に関わるスタッフだけで管理できる別のガントチャートを作って共有するというのも、上手いプロジェクト管理の方法といえます。

ガントチャートどおりに進まないときは

ガントチャートを作ったにも関わらず、そのとおりに作業が進まないとWebディレクターは参ってしまうかもしれません。考えられる原因をまとめました。

納期設定に無理がある

各作業に関して、無理な納期を設定していませんか?
ガントチャートを作成する際には、各タスクごとの業務量と、その業務を担当するスタッフの空き状況や能力を鑑みて、最適な納期を設定するようにしましょう。

Webディレクターが個人の判断で「これくらいあればできるだろう」と納期を設定してしまっては、スタッフに大きな負担をかけてしまうことも。
業務のボリュームを把握し、必要であれば人員を確保するなどしてサポートしましょう。

把握していない業務が発生している

ガントチャートにない業務が発生していませんか?
追加作業が出てきたら、ガントチャートをそのつど最新の状態に更新しておきましょう。

Webディレクターは常に現場の状況に目を配り、進捗状況をスタッフに確認しておく必要があります。少しでもスケジュールに遅延が見られそうなら、すぐに軌道修正のための行動を取ってくださいね。

ただし、忘れてはいけないのは「後から追加すればいいや」というものではないということ。ガントチャートを作成する時点で、できる限りタスクを把握できるように努めましょう。

しっかりコミュニケーションをとることで改善していこう

Webディレクターとして業務にあたっていると、ときには計画どおりにWebサイト制作が進められない問題に直面することも。

納期を守るためには、無理やりにでもスケジュールどおりの進行に戻す必要が…。そんなとき、ガントチャートはプロジェクトの全体把握にとても役立ちます。

とはいえ、まずはスケジュールに遅れが出ないよう、日頃から現場のコミュニケーションを密にしておくことが重要となります。これこそがWebディレクターにはコミュニケーション能力が必須といわれる所以です。

スケジュールの遅れが小さいうちであれば、いくらでもリカバリは効きます。
Webサイトの公開日に向け、気を引き締めてディレクション業務にあたりましょう。