Webディレクターにバックエンドの知識は必要?

WebディレクターはWebサイト制作現場における責任者・指揮官で、現場の仕事全体を把握しておく必要があることは何度も取り上げてきました。
ただ、一言で「現場の仕事全体」といっても、その領域は多岐に渡ります。

デザインやライティング、コーディングといったWebサイトの“表方”に見える仕事を把握しておいて損はありませんが、いわゆる“裏方”となるバックエンドの知識も持っておかなければいけないのでしょうか?

今回はWebディレクターがバックエンドの知識を持っておく必要性のほか、そもそもバックエンドってどんな仕事なのかをまとめました。

また、現在バックエンドエンジニアとして活躍する方がWebディレクターを目指す場合のステップアップ方法についても解説しますので、参考にしてみてくださいね。

「なんにも知らない」ではディレクターとして半人前

まず、Webディレクターがバックエンドの知識を持っておくべきか必要ないかという点については、「知識を持っておくに越したことはない」というのが答えです。

Webディレクターは、ときに各専門職の仕事を兼任することがあります。会社の規模によっては、ディレクター兼デザイナー、ディレクター兼アナリストという存在はごく普通に存在しているのが実情です。
しかし、バックエンドに関しては業務範囲も大きくなるので、ディレクション業務と兼任することは少ないことでしょう。

とはいえ、「それならバックエンドに関しては専門家に任せよう」と丸投げし、何も知らない状態では、バックエンドエンジニアから相談を受けた際に困ってしまいます。

自分がバックエンドに関して手を動かすことはなくても、現場責任者として仕事内容を把握しておくことは大切です。

そもそもバックエンドとは?

ここでバックエンドの仕事にはどのようなものがあるか、解説していきます。普段Webサイトの表側の仕事に携わっている方々には聞き慣れない業務も含まれるかもしれませんが、どれもWebサイトを構築する上ではとても重要な仕事なんですよ。

サーバー構築

サーバーとはなにかを簡単に説明すると、"インターネット回線を使ってWebサイトをオンライン上に公開するための環境を作るコンピューター"のことです。

PCやスマホからあるWebサイトを閲覧しようと操作すると、インターネットを通じて"データのリクエスト"がサーバーに届きます。そのリクエストに対して、サーバーが“表示させる信号"を提供すると、操作したPCやスマホに表示させるという仕組みです。
つまり、Webサイトの情報を保管しておく場所でもあり、それをリクエストに応じて各デバイスに表示させる役割も担っているのがサーバーというわけです。

要するに、制作したWebサイトを公開するためには、サーバーは必須ということ。Webサイトの土台を構築する作業といっても過言ではありません。

ホスティングサービス(レンタルサーバー)を利用するという手もありますが、自社でサーバー構築するのとホスティングサービスを利用するのとでは、それぞれメリットとデメリットがあるので、つくりたいWebサイトの性質に応じて検討するとよいでしょう。

データベース構築

Webサイトは、規模が大きくなればなるほどたくさんのデータを抱えることになります。

たとえばレシピサイトを思い浮かべてください。今日の献立を考える際に、何千点も掲載されているレシピを、上から順にひとつひとつ見ていては日が暮れてしまいます。

そこで便利なのが検索機能です。お肉のレシピ、野菜のレシピなどを絞り込んで検索することで、お目当てのレシピを瞬時に見つけ出すことができますよね。

このように必要なデータを必要なときに引き出せるよう、バックグラウンドで膨大なデータを管理しておくために必要なものがデータベースです。
これも見やすいWebサイトを運営するためには必須です。

システム開発・運用

企業のWebサイトには、問い合わせフォームや会員登録によるログイン機能などが備わっていることがあります。これらのシステムを開発するのもバックエンドの仕事です。

ユーザーが入力した情報を処理し、Webサイトを介してクライアントのもとへ無事に届けるためにも、システムが正常に動いていることはとても重要です。開発して終わりではなく、エラーが発生すればすぐに対応するといった運用面も、バックエンドエンジニアが担います。

まさに裏方でWebサイトを支える、縁の下の力持ちといった仕事ですね。

ディレクションをスムーズにするために持っておきたい知識

それでは、これらバックエンドの仕事に関して、Webディレクターはどの程度の内容を把握しておけばよいのでしょうか。
まったくなにも知らない状態では、なにもできません。しかし基礎だけでも知っていれば、できることはいくつも出てくるものですよ。

ソフトウェアの操作に関する知識・スキル

Webサイトを構築するには、たくさんのソフトウェアが必要です。これらの管理や運用を一切合切バックエンドエンジニアに任せっぱなしでは、エンジニアの不在時にトラブルが起こった際になにもできなくなってしまうでしょう。

操作方法の基礎だけでも知っていれば、簡単なトラブルに対処できるようになることも。
そうすればバックエンドエンジニアの作業時間削減にもつながりますし、トラブルが発生しても短時間で解決させることができるかもしれません。

バックエンド言語の基礎

PHP、Ruby、Pythonといった名前を聞いたことはありませんか?

Webサイトはたくさんのプログラミング言語によって構築されています。Webサイトの見た目を構成するのはHTMLやCSS、JavaScriptといった言語ですが、バックエンドにも同じように言語が存在しています。

Webディレクターがバックエンド言語を書くような場面はそうそうありませんが、どのような言語があり、それがどのような役割をするものなのかという知識は持っておいて損はありません。

おすすめの勉強方法は?

バックエンドの仕事については、書籍もたくさん出版されています。

本を読むより短時間で学びたいという場合は「ドットインストール」などのオンライン講座サイトで、動画を見ながら学ぶのもおすすめです。
動画で分かりやすい上に、項目ごとに3分の動画にまとまっているので、隙間時間で知識を習得できますよ。

一度目を通し、バックエンドの仕事の全体像をざっとでも把握できれば、エンジニアとの打ち合わせがスムーズになるかもしれません。

バックエンドエンジニアからWebディレクターになれる?

現在バックエンドエンジニアとして活躍されている方が、Webディレクターへのジョブチェンジを目指すこともあるかもしれません。

バックエンドは裏方的な役割を担うため、あまり人前には出ない職種です。
それに対しWebディレクターは、制作スタッフをまとめ、現場を仕切り、クライアントの前にも立つ必要があります。

そのため、まずはプロジェクト管理の練習から始めるのがおすすめです。
社内のメンバーを引っ張る力がついたら、次はクライアントの前に出てみましょう。クライアントから信頼を得られる説明ができるようになったら、次はプロジェクト管理をする練習をします。

このように段階的にステップアップすることで、Webディレクターとしてのスキルは着実についていきます。

バックエンドの仕事は、裏方からWebサイトの全体像を把握できます。広い視野を持ってWebサイト制作にあたってきたという点は非常に大きな強みになるので、頼りがいのあるWebディレクターになれるチャンスは大いにありますよ。

信頼して"任せる"のと"丸投げ"にするのは別

Webディレクターは、Webサイト制作プロジェクトが円滑に進んでいくように、現場を引っ張っていく役割を担っています。制作に関わるスタッフたちの仕事内容を把握しておくことはとても重要です。

メンバーを信頼して任せるのと、何も知らないから丸投げにするのとでは、全く意味が異なります。

まったく知識のない状態では、ミスやトラブルが発生した場合の状況把握に時間がかかるほか、対応方法を考えるのに手間取ってしまうことも。

現場から頼られるWebディレクターになるためにも、フロントエンド・バックエンドに関わらず広い知識を持っておきましょう。